# [[滲む(にじむ)]]
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## 意味
「滲む」は、液体や色などが染み込んで少しずつ広がることを意味します。インクが紙に「滲む」ように、ある物質がじわじわと他のものにしみわたり、形がぼやけたり、境界が曖昧になる様子を表します。また、感情や涙が顔に「滲む」といった比喩的な表現にも使われます。
## 発音
- ローマ字:nijimu
- 発音:に・じ・む
- ピッチアクセント:低高低(に・じ・む)で、「じ」にアクセントがあります。
## 使用場面
1. **日常会話**:インクやペンの色が紙に滲む様子を説明するとき。
2. **感情的な状況**:感情や涙が顔に「滲む」と表現し、内面の感情が表情や涙で自然に表れる様子を伝えるとき。
3. **比喩的な使い方**:悲しみや寂しさが声に「滲む」など、感情が言葉や行動に表れるときに使います。
## 例文
1. **初心者向けの文**:インクが紙に滲んでしまった。
*Translation*: "The ink bled into the paper."
2. **中級者向けの文**:彼の目に涙が滲んでいた。
*Translation*: "Tears were welling up in his eyes."
3. **上級者向けの文**:彼女の声には寂しさが滲んでいた。
*Translation*: "A hint of loneliness was evident in her voice."
## 文化的な洞察
「滲む」は物理的な現象だけでなく、感情が表情や声に現れることを指す比喩としても頻繁に使われます。日本語では、内面の感情がさりげなく表に現れることを重視する表現が多く、「滲む」を使うことで、控えめでありながらも深い感情の表出を表現することができます。このような表現は、日本文化における感情表現の繊細さを反映しています。
## よくある間違い
- **発音の罠**:「にしむ」と誤って発音されることがありますが、正しくは「にじむ」です。
- **文脈の誤解**:物理的な液体やインクに関する文脈だけでなく、感情や声に関しても「滲む」が使われることを理解する必要があります。
- **誤用**:「溢れる」との混同に注意が必要です。「滲む」はじわじわと染み出すイメージで、「溢れる」は大量に流れ出るイメージです。
## 関連フレーズ
- **染みる**(しみる):液体が染み込んで広がること。感情や思いが心に染み込むという比喩的な表現にも使われます。
- **広がる**(ひろがる):何かが次第に広がっていくこと。
- **漏れる**(もれる):液体や情報などが外に出ること。
## 同義語またはバリエーション
- **にじり出る**:にじみながらゆっくりと現れること。
- **浮かぶ**(うかぶ):表情や涙などが顔に現れること。
## 反義語
- **乾く**(かわく):液体が蒸発してなくなること。
- **消える**(きえる):存在していたものがなくなること。
## 簡単な復習問題
1. **選択式問題**:「滲む」が適切に使われている文はどれですか?
- a) 涙が彼の顔に滲んでいた。
- b) 紙が水に浮かんでいる。
- c) 音が滲んで聞こえる。
*Answer*: a) 涙が彼の顔に滲んでいた
2. **短答式問題**:「滲む」を使って感情が表れる場面を表現する一文を作成してください。
## チャレンジ課題(上級学習者向け)
「滲む」と「溢れる」の違いを詳しく説明し、それぞれを適切な文脈で使用する例文を作成してください。また、感情が「滲む」という表現がどのように日本文化の繊細な感情表現と結びついているかについて考察してください。