iOS版アプリは現在一般に公開されており、 https://obsidian.md/mobile からAppストアのリンクにアクセスできます。
## 保管庫はどこに保存されますか?
一つの選択肢として、iCloud Driveへ保管庫を保存することができます。その場合、保管庫はiCloud Driveフォルダの中の、"Obsidian"という名前のフォルダの下に置かれます。フォルダにはObsidianのロゴが表示されています。
iCloudでの同期を選択しない場合、保管庫はObsidianアプリのサンドボックスファイルシステムに保存されます。ローカル保管庫はファイルシステムを介したフォルダ選択をサポートしている他のアプリからアクセスできます。例えば、Working CopyのようなアプリはObsidianのローカル保管庫の同期に使用できます。
==保管庫をローカルに保存することを選択した場合、Obsidianのアプリをアンインストールすると、iOSによって保管庫が自動的に削除されることに注意してください。==
## 同期
### クイックスタート
すでにデスクトップに保管庫を所有している場合には、モバイル版に保管庫を同期してアクセスするのに2つの方法があります。
- [[#iCloud Driveによる同期]]
- [[#Obsidian Syncによる同期]]
現在公式にサポートされている2つの同期方法はiCloudとObsidian Syncです。
Working Copy (git)はiOS版Obsidianでの動作がテストされている、もうひとつの代替手段です。
現在、iOSでは次の同期サービスについてサポート情報が**ありません**。
- Dropbox
- Google Drive
- OneDrive
- Syncthing
iOSでこれらのサービスを使用してObsidianを同期する方法を見つけた場合は、Discordサーバーに参加していただきセットアップのやり方を教えていただけるとありがたいです。
理論的には、デバイス上の特定フォルダをバックグラウンドで同期可能なサードパーティの同期サービスプロバイダーは機能するはずですが、確かめられているのはWorking Copyのみです。これはiOSでのアプリ間ファイル共有における非常に複雑なメカニズムの制約によるものです。すべてのアプリがアクセス可能なパブリックフォルダを提供しているAndroidの場合とは異なります。このため、多くのサードパーティの同期サービスプロバイダーはiOSでのバックグラウンド同期に関する適切な実装を行っていません。
現在、ObsidianはFileProviderを介して仮想ファイルシステムを提供するサードパーティの同期サービスプロバイダーに対してサポートは行っていませんが、将来的には機能向上としてこの問題の解決を試みる予定です。
### Obsidian Syncによる同期
以下に示すように、Androidでの同期と同様のステップに従うことで同期できます。Obsidian SyncとiCloud同期の両方を同時に使用することはお勧めしません。同時使用によって[[Obsidian Sync#サードパーティの同期サービス|競合状態]]によるデータ損失の発生が報告されているため、iCloud以外のフォルダを作成するようにしてください。
![[Androidアプリ#Obsidian Syncによる同期]]
### iCloud Driveによる同期
iCloud Driveを介した**新規**保管庫の同期セットアップ
1. アプリを起動して、「Create a new vault」を選択する
2. デスクトップで、「別の保管庫を開く」コマンドを使用してiCloud内の新規保管庫のロケーションを指定する
iCloud Driveを介した**すでに存在している**保管庫の同期セットアップ
1. アプリを起動して、「Create a new vault」を選択する
2. [[Obsidian URIの利用|保管庫間URI]]が機能するよう、デスクトップの保管庫と同じ名前を付ける
3. iCloudから空のフォルダがデスクトップに同期されるのを待つ
4. この空のフォルダに保管庫に存在するすべてをコピー&ペーストする。これが同期フォルダの場所になります
5. デスクトップで、「別の保管庫を開く」コマンドを使用してiCloud内の新しい保管庫の場所を指定する
6. iCloudからモバイルデバイスにすべてが同期されるのを待つ
### Working Copy
またはWorkingCopyを利用し、Gitを使用してiOSの保管庫を同期することもできます。これを行うためには、まず最初にデバイス上に空のローカル保管庫を作成する必要があります。次に、「フォルダー同期のセットアップ」を行い、Obsidianのアプリ内部のローカル保管庫を選択してください。これによって、手動でコミットとプッシュが可能になります。
### サードパーティの同期サービスのサポート
多くのユーザーから、モバイル版Obsidianが好みの同期方法をサポートしてくれないのはなぜなのか、と質問されます。モバイル同期サポートの現状について簡単に説明します。
1WriterやiA Writerといった他のアプリと異なるObsidianの特徴は、単一のノートではなく保管庫のトップで機能しているということです。リンクの自動補完、画像の埋め込み、タグペイン、バックリンク、すべてのクロスノート機能など、Obsidianのコア機能の多くは、保管庫全体とその内部のすべてのファイルに依存しています。
対照的に、ほとんどのマークダウン編集アプリはひとつのノートを**開いて**、ユーザーに編集させ、ノートを保存し直すだけです。このため、OSとサードパーティの同期サービスプロバイダーは通常、ひとつのファイルにアクセス/操作するAPIのみを提供し、保管庫(サブフォルダを含むファイルのフォルダ)を扱うAPIは提供しません。
同期に関して、通常のマークダウンエディタアプリは、**選択したファイルを開いたときにファイルをダウンロードする**と**保存を行ったときにファイルをアップロードする**という基本機能を実装するだけでよいのです。Obsidianでは利便性のために保管庫全体をダウンロードする必要があり、変更があったすべてのファイルを追跡する必要があります(例えば、あるファイルをリネームすると、他のファイルに存在するリンク名が変更されるため、それら一連のファイルを更新することになるかもしれません)。その上で、同期ソリューションを介して変更を監視し、ファイル変更の際には内部キャッシュを更新して正確なリンクを提供する方法が必要となってきます。
これらすべてをサードパーティの同期サービスプロバイダーが維持するのは、かなり大変です。これが、多くの同期サービスプロバイダーがモバイル用に適切な同期クライアントを作成せず、ユーザーがサードパーティのアプリ(DropSyncやFolderSyncなど)を使用する必要がある理由の一部です。残念ながら、アプリのサンドボックス化のため、このようなアプリはiOSには存在しません。
## 既知の問題
### macOSにおけるiCloudフォルダでの問題
macOSのFinderを使用してiCloud上のフォルダへファイルをドラッグ&ドロップできない場合には、 https://obsidian.md からこの問題を修正したデスクトップ版Obsidianの最新リリースをダウンロードしてください。インストールし、アプリを実行すると、自動的にiCloudがフォルダのパーミッションを更新します。これがすぐに反映されない場合、マシンを再起動する必要があるかもしれません。
### ペーストメニューが表示されないことがある
一部のユーザーからカーソルをタップしてもペーストメニューが表示されないという問題が報告されています。その問題が起こる場合の回避策としては、三本指のタップジェスチャを使用してグローバル編集メニューを開き、そこからテキストへのペーストを行うことができます。