ドーパミン(dopamine)とは、**脳内で働く神経伝達物質であり、同時に体内でホルモンとしても機能する化学物質**である。カテコールアミンの一種で、[[ノルアドレナリン]]やアドレナリンの前駆体となる。 ### 役割 - **神経伝達物質として** - <mark style="background: #FEF19AAB;">快感や報酬系</mark>:[[腹側被蓋野(VTA)]]から側坐核や前頭前野へ投射し、快楽ややる気、強化学習を調整する。 - <mark style="background: #FEF19AAB;">運動制御</mark>:黒質から線条体へのドーパミン経路は運動の滑らかさに必須。パーキンソン病ではこの経路の障害により運動症状が出る。 - <mark style="background: #FEF19AAB;">認知機能</mark>:前頭前野に作用して、注意・意思決定・柔軟な思考を支える。 - **ホルモンとして** - 下垂体に作用し、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)の分泌を抑制する。 ### 特徴 - 喜びや達成感を感じるときに分泌が高まるため、俗に「快楽物質」と呼ばれることもある。 - しかし実際には「快感そのもの」ではなく、<mark style="background: #FEF19AAB;">報酬の予測や動機づけ</mark>に深く関与している。 ### まとめ ドーパミンとは、<mark style="background: #FEF19AAB;">脳の報酬系や運動制御に関わり、やる気や学習、意思決定を支える化学物質</mark>である。 # 関連 |項目|位置 / 由来|主な神経伝達物質|主な機能|関連する記憶・認知| |---|---|---|---|---| |**[[腹側被蓋野(VTA)\|腹側被蓋野]] ([[腹側被蓋野(VTA)\|VTA]])**|中脳にある神経核|ドーパミン|快感・報酬・動機づけ・学習・意思決定|共通の新奇性に応答 → [[海馬]]での経験を大脳皮質に統合([[意味記憶]])| |**[[青斑核(LC)\|青斑核]] ([[青斑核(LC)\|LC]])**|脳幹の橋にある神経核|[[ノルアドレナリン]](+少量ドーパミン)|覚醒・注意・ストレス反応・学習補助|特異な新奇性に応答 → [[海馬]]で詳細な記憶を強化([[エピソード記憶]])| |**ドーパミン (DA)**|[[腹側被蓋野(VTA)\|VTA]]や黒質などから放出|神経伝達物質・ホルモン|快感・動機づけ・運動制御・意思決定|[[腹側被蓋野(VTA)\|VTA]]経路で報酬予測・学習を促進| |**[[ノルアドレナリン]] ([[ノルアドレナリン\|NA]])**|[[青斑核(LC)\|LC]]から放出 / 副腎髄質でも分泌|神経伝達物質・ホルモン|覚醒・注意・ストレス応答・学習補助|[[青斑核(LC)\|LC]]経路で重要な出来事の記憶を強化| ### ポイントまとめ - **[[腹側被蓋野(VTA)|VTA]]-ドーパミン系**は「やる気・報酬・学習」の信号を担当。[[意味記憶]]や一般化学習に関与。 - **[[青斑核(LC)|LC]]-[[ノルアドレナリン]]系**は「覚醒・注意・緊急対応」を担当。詳細な[[エピソード記憶]]を強化。 - 両者は同じ[[海馬]]に情報を送るが、**新奇性の種類によって使い分けられる**というのが本論文の主張。